無償の愛について

「無償の愛」て、あこがれませんか?無償の愛が欲しい、無償の愛を与えたい、そう感じるのは、「条件付きの愛」ばかりもらって、「条件付きの愛」ばかり与えてきたからかもしれません。私なりに衝撃を受けたことがあったので、今回は「無償の愛」について、少し視点を変えて書いて行きます。

1.命のリレーと子育て

如月、2月は節分も終わり、暦の上では春が始まりました。節分は季節を分ける意味もあり、季節の変わり目には邪気が入りやすいと考えられ、「鬼を追い払って新年を迎える」行事ををしたことが豆まきの源流のようです。季節の変わり目は「風邪」という鬼や、「うつ」という鬼が出没しやすくなります。自分や家族、周囲の人の健康を願う昔の人の知恵だなぁとご先祖様たちに感謝です。

さて、ご先祖様から脈々と受け継がれている命があって、ここに私や私たちが存在します。昔は今と違って衛生状態も医療も発達していないし、子育ては今とは違う苦労もたくさんあったと思います。経済的な理由や時代の価値観、生物としての本能、集落の維持など子供を産み育てることは大きな使命でもあったと思います。

でも、世の親となったことのある方々、特にお母さんは、そんな使命よりももっと違う感情で自分の子供に接してきたのではないでしょうか。例えば、無償の愛。

無償の愛、母性とも言い換えられるかもしれません。「親から子供へ注ぐもの」だとほとんどの方が考えるのではないでしょうか。

母性はたとえ男性親であっても、守るべき幼い命を前に自然に生まれる感情ではないかと思います。「我が子」はもとより、他人の小さい子供や現代ではペットに対して感じる感情の一つ。

2.母性について

そう、母性こそが無償の愛の源!

母性とは何ぞや、と改めて調べてみると、母性とは、なかなか難しい複雑な概念。あえて、生物学的な側面、心理的な側面、社会的な側面などに分けて考えてみます。

生物学的な側面

生物学的な側面から見ると、母性とは女性が子供を産み、育てるための能力と本能を指します。女性は男性と比べて、妊娠、出産、授乳などの機能を備えています。また、ホルモンの影響によって、子供への愛情や保護欲といった感情が生まれやすくなるとされています。

心理的な側面

心理的な側面から見ると、母性とは子供を愛し、育てるための心の力と態度を指します。母親は子供に対して、無条件の愛情、共感、受容、安心感を与える存在です。また、子供の成長を促すために、適切な指導やサポートを行うことも含まれます。

社会的な側面

社会的な側面から見ると、母性とは社会が女性に期待する役割や態度を指します。伝統的な社会では、女性は家庭に入り、子供を育てることが当たり前と考えられていました。しかし、現代社会では、女性の社会進出が進み、母性に対する考え方にも変化が生じています。

現代における母性

現代社会では、多様な生き方が認められるようになり、母性に対する考え方にも変化が生じています。

* 必ずしも女性だけが母性を持つとは限らない

* 男性も母性を持つことができる

* 子供を産み育てなくても、母性を持つことができる

このように、母性の概念は、いろいろな要素が絡みあい、時代や社会によって変化し続けていく概念でもあります。つまり、永遠でも絶対でもないのです。そのため、個体差が大きく、子と親の相性や、主に親の心の成熟度により変わってくるようです。

親からの無償の愛はそんな危うい土台の上に成り立つものだと改めて感じました。

3.親からの無償の愛はまやかし?

実は、無償の愛は親から子へ注がれるのではなく、その逆ではないのか?そう、子から親への愛こそが「無償の愛」ではないかと思いようになりました。

生まれたばかりの赤ちゃん、いえ、それ以前の胎児の時から、人間は一人では生きていけません。そのための生きる戦略が「かわいい」です(笑)

赤ちゃんが可愛いと感じるのは、人間が生き延びるための戦略の一つであるという説があります。これは「かわいい」という感情が、赤ちゃんを育てる意欲を高めるために進化したという考え方です。

赤ちゃんは、人間にとって最も脆弱な存在です。自分で食事を取ったり、身を守ったりすることができません。そのため、大人から十分な愛情と保護を受けなければ、生き延びることができません。

「かわいい」という感情は、赤ちゃんを愛おしく感じさせ、世話をする意欲を高める働きがあります。赤ちゃんを見ると、多くの人は自然と笑顔になり、優しい気持ちになります。これは、赤ちゃんが持つ特有のしぐさや形状が、「かわいい」という感情を引き起こすからです。

赤ちゃんの、「かわいい」と感じるポイントとしては、以下のようなものが挙げられます。

* 大きな目

* 丸い顔

* 小さな鼻

* ぷっくりとした唇

* 無垢な表情

*上記はあくまでも一つの説であり、他にも様々な理由が考えられます。例えば、赤ちゃんが可愛いと感じるのは、種の保存に役立つという考え方もあります。赤ちゃんが可愛いと感じれば、より多くの子孫を残そうとする意欲が高まるからです。

いずれにしても、赤ちゃんが可愛いと感じるのは、人間が育つ、反映することにとって重要な役割を果たしていることは間違いありませんね。

親からの庇護のもと一人では生きられない赤ちゃんが立派に成長していくのです。

そう、何を言いたいかというと、親からの無償の愛は、実は赤ちゃんの生存戦略のたまものなのです(笑)自分が生き延びるための赤ちゃんの利己的な戦略!それにコロッと大人は心を持っていかれるんですね(笑)で、大人は自分がこの弱き、守るべきものに無償の愛を注がなければと思わされてしまうのかもしれません。

4.ここからが本題、無償の愛は赤ちゃんから親へ

赤ちゃんから親への無償の愛は、人間の関係性の中でも最も純粋で強力な関係と言えます。この愛は、生まれた瞬間から自然に育まれるものであり(いや胎児のときからかもしれません)赤ちゃんがこの世に生を受けたその瞬間から、彼らを守り、愛する親に対して強い絆を感じるようになります。赤ちゃんは言葉を話すことはできませんが、その小さな存在は、親に対して無条件で愛を示します。これは、何も求めず、条件をつけずに与えられる愛の究極の表現であり、親と赤ちゃんの間の深いつながりを形成します。

一方、赤ちゃんの生存戦略として、ニコニコすれば可愛がられることや、泣けばおしめを取り換えてくれることはだんだん理解していくでしょう。利害関係があり、見返りを期待しているじゃないか・・・と声が聞こえてきそうですが、脳や感情の発達過程を考えたとき、個人的な意見ですが、無償や有償といった概念はおそらくないであろう赤ちゃんにとっては、その愛情は「無垢の愛」と言い換えてもいいと思います。

具体例を紹介しながらさらに説明します。

・親の声や触れ合いから受ける安心感

たとえば、泣いている赤ちゃんが親に抱かれた瞬間に泣き止むことがあります。これは、親の温もりと声が赤ちゃんに安心感と愛情が伝わるからです。また、親が優しく話しかけたり、歌を歌ったりすると、赤ちゃんは静かに聞き入り、時には笑顔を見せることもあります。この瞬間こそが、親から赤ちゃんへの無償の愛が、赤ちゃんによって無条件で受け入れられていることを示しています。無条件に誰かに受け入れられること、それは年齢性別時代を問わず、人類共通の喜びであり、欲求でもあります。赤ちゃんは親を無条件で受け入れてくれる存在なのです。たとえ、それがどんな愛情表現であっても、歪んだ愛情表現であってもです。

・無条件の信頼と依存

赤ちゃんは、親が常に自分の側にいてくれることを無条件で信じています。例えば、親が部屋を出た後に再び現れると、赤ちゃんは喜びの表情を見せることがよくあります。これは、赤ちゃんが親への絶対的な信頼を持っていることの表れです。親がそばにいるだけで、赤ちゃんは幸せを感じ、安心して眠りにつくことができます。そう、親の全てを、大人なら取るに足らないと思えることや、もっとこうして欲しいといった事もなく、今のあなたをそのまま、丸っと受け入れてくれます。

その絶対的な信頼からくる表情、しぐさ、鳴き声、赤ちゃん語、香り、体臭、無防備な寝顔、無心に求める瞳、指先・・・そのどれをとっても、あなた(保護者)へ向けられる絶対的信頼に裏打ちされた、無垢な愛の表現ではないかと思います。

5.無償の愛を与え続けて大人になった人たちを真のマザコン(ファザコンも同様)と呼ぶのかもしれない

私の個人的な知人の中に、シングルマザーのもと虐待を受けながら育った男性がいます。仮にNさんとします。Nさんは小学校に進学する前に両親が離婚、それまでも裕福ではありませんでしたが、さらに経済的に追い詰められていきました。シングルマザーとなった母は、離婚した父からの養育費は一切なく、昼も夜も働いて息子を育てていました。幼いNさんは食事もまともに与えられず、学校から帰ると数百円の食事代が置かれているだけ。文房具もまともに買えない状態でした。鉛筆が無くなり、赤鉛筆で宿題を書いて提出したことがあったそうです。はじめは教師も驚き事情を尋ねるも、Nさんは「鉛筆が変えなかったから」と答えたそうです。「お母さんに買ってもらいなさい、次回からはちゃんと黒い鉛筆で書くように」と言われたそうです。そのことを母に伝えると、「私の苦労も知らないで・・・」とフライパンでたたかれ、正座させられ、何時間もたたかれ、罵倒されたそうです。これは一つのエピソードですが、もっと日常的な肉体的、精神的虐待やネグレストは彼が高校に入学するまで何百回と続いたのです。高校生ごろには、さすがに身体の大きくなり反抗する力も知能もあったので幼いころのような虐待はなくなりました。正直よく生きていてくれたものだと、その話を聴いた時には涙が止まりませんでした。と同時に怒りもふつふつと沸き上がり、自分の感情の落としどころに苦労しました。

そんなNさんでしたが、大人になって家を出ましたが、母親とは絶縁することなく、かといってべたべたするでもなく、普通の親子に見えました。いえ、普通の親子以上に気にかけていました。私は一度Nさんに、「幼いころから受けてきた虐待を考えれば、経済的援助も気遣いもしなくていいのでは、縁を切ってしまえばいいのに」といった事があります。Nさんは「戸籍を抜いて、戸籍上の絶縁はしたい」と言っていました。その真意は、自分の生活で手一杯で、自分で養う甲斐性はない、そこで、生活保護を受けやすくするために戸籍上の絶縁を考えているということでした。当時の私でさえ、二人が共倒れしない賢明な選択だと思いました。

彼は、親殺しをしても情状酌量の余地があるくらいの虐待と人生の可能性を両親から潰されたと私は思っています。父は父でこれもまた問題でした。父の仕事や生活態度の影響で希望の仕事に付けなかったのです。私なら完全に両親憎む、恨むだろうなと当時思ったものです。

そんな両親に対して、親子間特有の「あーもう」という感情はあれど、憎みや恨みの言葉はきいてことがありませんでした。

この時、私は「あ~Nさんは両親に対して掛け値なしで今も愛しているんだ」と感じました。私は両親に対してそこまでの愛情を自覚したことがありませんでした。まあ、Nさんが自覚していたかは定かではありませんが。

なんとなく伝わるでしょうか?

無垢な愛、無償の愛、Nさんがそういう愛を大人になっても持ち続けているんだと思えた人でした。

6.無償の愛は子から親へ、そして子はいつしか大人になり・・・

無償の愛は子から親へ、そして子はいつしか大人になり・・・子の無償の愛を知るのでしょう。まさに愛の連鎖!先ほどお伝えしたNさんにもし子供がいたら、両親に受け入れられなかった思いも、欲しかった愛情もNさんの赤ちゃんが受け入れてくれたのかもしれません。無垢な愛を注がれる喜びを知ったのかもしれません。

今はNさんもお母様も亡くなりました。お父様のその後はわかりません。

Nさんのお話を聴いて、子供はどんな親でも、愛されたいと思うと同時に、無償の愛を注ぎ続けているんだなと感じました。

皆さんは「無償の愛」どう思いますか?

よく、親孝行したい時には親はなしとか、育ててもらって恩返しできてないとか、聴きますが、本当はすでに親に対して、赤ちゃんから3歳ぐらいまでの時期に恩返ししているという説があります。

それは、無償の愛を子から親に対して注いでいるということなのかなと思います。

無条件で受け入れ、絶対の信頼を寄せる、そんな経験をして大人になったのだから、私たちはそういう愛し方を知っているはずです。あの無垢な愛を思い出したいものですね。

結び

新しい年、新しい季節を生きる、希望をもって生きるための、何か一つでもヒントになれば幸いです。

最後まで読んで頂きありがとうございます。きっと今日は少しだけいいことありますよ(^^♪

不定期ですが、徒然なるままにブログを更新していきます。皆さんの人生が輝きに満ち、自分自身とのつながりを深めることができるよう、数秘術占いココロクの藍玉が応援しています。

「自分を知り本当の自分を解き放つ」アクアマリン大好きの藍玉でした。

投稿者プロフィール

藍玉(らんぎょく)
藍玉(らんぎょく)
わたしは数秘術占いを使って、『運命を紐解く数秘術ライフコーチ』として内なる自分を開放し、占いとカウンセリングで、理想の未来を実現するお手伝いをしています。