自己分析の方法は一つではない

月末になり寒くなってきました。あんなに暑かった夏も忘れてしまうほどです。いよいよ秋も深まり街中の公園や街路樹の紅葉が美しく色づいています。気が付けば今年も残り1ヶ月、個人的にも世界的にもいろいろあった2023年でした。いろいろあると良いことばかりではなく、愚痴の一つも言いたいことが出てきます。

そんな、愚痴の中に、実は抑圧された自分からのメッセージが隠されていることが非常に多いものです。今年を振り返る意味でも、自分の愚痴を分析してみることは、自己分析に繋がります。数秘術は自己分析の強力なツールと思っていますが、数秘術を使う前に、まずは自分の現状を客観的に知るために愚痴の分析は有益だと思っています。

愚痴を言うメリット

愚痴を言うとすっきり、気分が晴れる、仲間意識が生まれる、連帯感が生まれる等の効果は社会人として会社で働く者としては体感するところです。

多くの人間が集まり、組織を作るとどうしても価値観ややり方が違ったりして、自分の思い通りには動けませんし、意見することもできないのがほとんどでしょう。そこには大きなストレスを感じ、そのはけ口としてお昼休みに愚痴大会になる会社もあるのかもしれません。もちろん、根本的な会社側の改革が必要な場合もありますが、多くの人間が集まれば、どんな環境であっても愚痴の一つも言いたくなる人はいるものです。

ただ、あまりに愚痴が多いと、聴いている方は精神的に参ってしまいますし、やる気も失せます。そしていつの間にか離れていくでしょう。誰だって毎日なんにでも愚痴言う人を受け入れるほど寛容ではありません。

愚痴のデメリット

愚痴を言っている自分自身にも、聴いている他者にも心理的ダメージがあります。

「天に唾を吐けば自分に返ってくる」とはいうことわざ通り、愚痴を言えば、その愚痴の相手への嫌な気持ちや、憎悪、執着が増し、常に自分の頭と心を嫌な気持ちと嫌な相手のことで支配してしまいます。愚痴を言いながら「決して私はあなたのことを忘れません」と強く自分自身に刷り込んでいるのです。片時も離れず、傍にいるのが悪意極まりない愚痴の数々ではだんだん自分で自分を闇の中に引きずり込み、出られなくなりそうです。

また、愚痴を聴いてくれる他者とは、多くは同僚や友人、時には恋人や配偶者など身近にいて、普段自分を支えてくれる人ではないでしょうか。そんな大切な人たちへ自分の気持ちを吐き出せるのは、まだ幸せかもしれません。あまりにも頻繁に、あまりにも同じことを繰り返し、他者に言ってしまう場合、相手も内心「いい加減にして欲しい」と思っているかもしれません。人間関係が密な相手だけに、簡単に突き放せない人も多いでしょう。そのため他者自身が疲れ切って心身を病んでしまうこともあります。その前に多くの人はあなたのそばを何も言わず離れていくでしょう。

最近は「愚痴きき屋」という商売もネット、電話、リアル、アプリとあるようです。どうしても、どうしても愚痴を聴いて欲しい時は、こういう商売を利用するのも一つの手ですね。

愚痴は抑圧された本当に自分からのメッセージかも?

愚痴は無意識に抑圧した自分の本当の気持ちを隠す道具にしているように感じます。押し殺した自分の気持ちがあることを知らせる貴重なメッセージです。

例えば、会社で同じ上司のことで3人の男女が愚痴大会を始めたとしましょう。Aさんは、上司がウザイと言います。Bさんは上司が無能で仕事を押し付けられるといいます。Cさんは上司がZをエコひいきして自分をいじめるといいます。仮にCさんの愚痴に注目してみると、Cさんの愚痴の奥には、「自分は能力があるのに認めてもらえない」という不満が見つかります。さらにその奥には、「自分は能力がなければ、約立たないといわれ、認めてもらえないのに、Zは無能なくせに上司に認められている」という気持ちが潜んでいるかもしれません。それは、「Zに対する羨望であり、上司に対する怒り」かもしれません。

さらに深堀していくと、「認められないとこの世界では生きていけない=生存の危機」を感じたり、「あるがまま無能でも役立たずでも愛されたい」という気持ちがあると思っています。そう、だれもが無条件で愛されたい、でもそれを意識することや口に出すことはダメなことと無意識化に抑圧してしまったのです。本人の性格、親のしつけ、親や周りの大人のふるまい、周囲の人からの失笑・・・いろいろな要素が絡まり、小さいころに思い込んでしまったのです。でも、もうあなたは大人だし、本当の自分の気持ちを隠さなくても十分に生きていけます。少なくとも、自分に自分の気持ちを偽る必要はもうないのです。本当の自分の感情や考え方、価値観を知ることで、少しでも今の世界が生きやすくなるのではないかと思います。たとえ、上司はZばかりエコひいきしている現状は変わらなくても、自分と同じように彼らにも抑圧した感情があり生きづらいと感じていることや、自分の本当の気持ち(愛されたいとか認められたいとか)を知ることで、イライラや不安から愚痴を言っていた自分を少し許せるのではないかと思います。「許す」ということはその対象を自分と切り離し、認め、客観的に見ることができます。許すことができたとき、ワンランク成長した自分を発見できるのです。

愚痴を自己分析に昇華する方法

愚痴を愚痴のまま放置せず、自己分析のツールとして使い倒し、自己成長していきましょう。

愚痴が出るということは、もう一回り精神的に成長する大きなチャンスです。

具体的な方法は実は簡単、しかもスッキリする、誰にも迷惑をかけない、そんな方法です。

ステップ1:手紙を書く

信頼できる相手へ、できれば生きていて実際にコンタクト取れる相手に向けて手紙を書きます。思いのたけをすべてぶつけて、でも、相手にわかるように順を追って、論理的に、ストーリーとして成り立つように手紙を書きましょう。

一番おすすめは、手書きで本当に便せんに何枚も、何十枚もつづることを推奨したいのですが、PCやスマホのメモ機能でも十分効果があります。何より漢字の間違いや、文章のおかしいところを気にせず、とりあえず書けるところは助かります。

私も、もし、リアルに話しても嫌な顔せず(本心はウザイと思っているかもしれませんが(笑))ちゃんと聴いてくれる相手にPCやスマホで手紙を書きます。

今のところ最長記録は、1万字弱といったところです。もちろん一気に書き上げたのではなく、1テーマにつき1月程度かけて気が向いた時に書いています。

日にちをあけて、何度も見直し、書き換え、書き足し、書き足し・・・・。

あくまで手紙なので、ちゃんと相手にわかるように自分の状況や背景を説明することも大切ですね。

この愚痴手紙を書くだけでも気持ちが晴れ、考えが整理されるとは思います。逆に書き始めは相手への憎悪が勝るということもあるかもしれません。それでも何度か読み返すうちに

客観的に自分も相手も見ることができるようになると思います。この時点では客観的な事実と自分の主観の入った真実を分離できれば大成功です。特にその中から学ばねばとか、成長せねばなど思う必要はありません。ステップ1の役割は、あくまで吐き出すこと、手紙の形で吐き出しきることです。手紙なので、相手に常況がわからないと意味がないので、おのずと論理的、客観的に文章を書き、それが冷静な視点をもたらしてくれます。

実際に手紙は出しません。口に出して内容を誰かに話すこともありません。

しっかり鍵をかけて保管してください。アクセスできるのはあなた自身だけです。

ステップ2:感情を書く

手紙を書き終えて、見えてくるものがあるとは思いますが、次に成長の糧にするため、深く分析していきます。分析と言っても、手紙に書いた内容をもとに感情表現してみるのです。

前に書いたCさんを例にすると、Cさんは愚痴の奥には、「Zに対する羨望や、上司に対する怒り」が潜んでいるかもしれません。その感情をさらに深堀していくと、「認められないとこの世界では生きていけない=生存の危機」を感じたり、「あるがまま無能でも役立たずでも愛されたい」という気持ちがあります。

例えば、「もう耐えられない、あんな上司、失敗してクビになればいいのに、毎日ムカついて仕方がないんです。」と手紙に愚痴を書いたとしましょう。その感情は、「怒り、悲しみ、恐怖、驚き、羨望」など。恐怖は、あんな上司のもとで耐えねばならない日常が続く事への恐怖。驚きは、愕然と言ったニュアンスであんな上司でも自分より上の役職に就けていること等。

感じ方は人それぞれなので、一例として出しました。このように愚痴の中にはいろいろな感情が隠れています。

ステップ3:感情の奥の気持ちを知る

愚痴の奥にある自分の感情を認識したところで、さらにその感情の奥にある本当の気持ちを探っていきます。例えば、怒りの奥にあるのは「悲しみ」かもしれません。その悲しみは自分の生存に関わること。愛してもらえない、認めてもらえないなどからくる悲しみです。

このように、表に出ている感情はいわば、本当の自分の気持ちを守るための盾です。その奥には自分が認めたくない本当の自分、本当の感情を隠し、守っています。だって、外の外敵はとても恐ろしく、ひ弱な本当の自分では生きていけないから・・・と思い込んでいるのです。でも大丈夫、この手紙は、誰もあなたを攻撃しない安全な場所だから。

そうやって本当の気持ちを知ることで、自分の弱さを知り、ここまで頑張って生きてきた強い自分を知るでしょう。本当の自分を認めてあげることができるのは自分だけです。

ここまでくると、やっと現在地の自分が見えてきます。ここから自分の理想や目標に向かってどれくらいの距離があるのか、何をすればいいのか、少し見えてくるかもしれません。

結び

今回書いた愚痴を使った自己分析は、現在地を知る助けになる方法です。

対象が変わっても愚痴のでる内容やその奥にある感情、本当の気持ちは案外同じことが多いものです。そこにあなたの改善する余地があり、成長のポテンシャルがあるのです。

愚痴を言いたいことがあったら、是非試してみてください。手紙を書くだけでも本当にスッキリしたり、整理されたり、何を悩んでいたのかバカバカしくなったりするかもしれません。

悩める人に何か一つでもヒントになれば幸いです。

最後まで読んで頂きありがとうございます。きっと今日は少しだけいいことありますよ(^^♪

不定期ですが、徒然なるままにブログを更新していきます。皆さんの人生が輝きに満ち、自分自身とのつながりを深めることができるよう、数秘術占いココロクの藍玉が応援しています。

「自分を知り本当の自分を解き放つ」アクアマリン大好きの藍玉でした。

投稿者プロフィール

藍玉(らんぎょく)
藍玉(らんぎょく)
わたしは数秘術占いを使って、『運命を紐解く数秘術ライフコーチ』として内なる自分を開放し、占いとカウンセリングで、理想の未来を実現するお手伝いをしています。